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フリーランス内科医の【働き方】バイト・引越し・お金の実態

2019年3月に大学医局を辞め、特定の所属をもたないフリーランス医師になりました。フリーランスの内科医の実態についてお話します。

医局をやめるまでの話はこちら

目次

仕事探し〜就職

フリーランスになるので就職形態は当然非常勤です。いわゆるアルバイト医です。医師が通常アルバイトを探すように、派遣会社、紹介会社に定期の非常勤求人を探します。

医師にとっても3月から4月は大きな節目なので、このタイミングでの就職口は比較的たくさん見つかります。紹介会社のエージェントに希望を伝えて、面接を受けて、就業日を決めていきます。

わたしの場合は12月に民間医局、MRT、アルなび、メディウェルに翌年4月からの非常勤案件の希望を伝え、いわゆる「就活」をはじめました。

担当エージェントとメール、電話でやり取りするうちに、こちらの希望が明確に伝わり、より希望に沿った案件を紹介いただけるようになります。エージェントのかたと仲良くなることはとても大事です。

1月末〜2月に入ると面接の予定が入り始めます。3件受けたうちの1件の病院に4月から週2で働くことにしました。

私の場合はそのほか、3月まで働いていた病院での週1糖尿病外来を継続することになっており、友人が院長を務めるクリニックでの外来を月2〜3回手伝い、加えて当直のバイトを週1回入れて、食い扶持を確保することができました。

月曜日 群馬の病院
火曜日 墨田区のクリニック
水曜日 日中はお休み→両国の病院で当直
木曜日 お休み
金曜日 墨田区のクリニック
土曜日 品川区のクリニック
日曜日 お休み

という感じです。

火曜午前と水曜の日中、木曜日、土日が休みという週休3.5日の達成です。

とはいえ、そもそもフリーランスになった目的が2年前に共同創業した事業の運営や、ヘルスケア事業のコンサルティング業務など、病院以外での活動にシフトするためでしたので、週休3.5日を休んで過ごしていたということではありません…。

正直なところ、年収は勤務医のときよりも増えました。時間が増えてお金も増えるので浪費には要注意です。

家探し〜転居

転居しなければ困らないのですが、するとなると意外と大変なのが入居手続きです。3月末までは医局人事で群馬に出向していたので、病院の社宅住まいでした。

社宅を出て東京で家探しをし、いい物件を見つけ、申込みます。ここまではスムーズなのですが、審査で障害になるのが「フリーランス」という不安定な響きです。

4月からの就職先は決まっていますがすべて非常勤。共同創業した会社もベンチャー2年目なのでもちろん赤字。医師という資格があっても「フリーランス」の社会的信頼の低いことを痛感しました。

「非常勤」ではあるものの職に就くことと、諸々の収入証明、確定申告書類、雇用契約書等を提出し、審査を通過いたしました。正直、ひやひやしました。

もしタイミングが許すのであればフリーランスになる前に引越しておくのが無難かもしれません。もちろん、ローンの審査にも影響すると思いますので、ローンを組む予定のある方は常勤のうちに組むべきです。

社会保険関係

フリーランスなので自前で健康保険、年金保険に加入しなくてはなりません。4月は休みのたびに(といっても週休3.5日で平日も2.5日休み)手続きに出かけていました。

健康保険

フリーランス医師の健康保険の選択肢としては3つあります。
・国民健康保険
・前職場の継続
・医師国保

それぞれ保険料が異なります。昨年の収入や、今年の見込み収入によってどれがベストかは人によります。

わたしは医師国保に加入しました。医師国保に加入するためには都道府県医師会への加入が必要です。(これについては後述します。)

医師会への加入が完了すると、所定の書類を医師会からもらい申し込むと保険証が届きます。保険加入日は保険証が届くよりも遡って設定してもらえるので、もし、保険証が届くまでの間の病院受診があっても、保険負担分を還付してもらえます。

国民年金

区役所の年金の窓口へ年金手帳を持っていきます。後日、毎月分の振込用紙が届きます。

医師会

医師会への加入は人それぞれですが、わたしは健康保険で医師国保に加入するために加入しました。

地区医師会に医師会に入りたい旨を伝えて、入会書類を記入し、入会金、会費を支払って加入となります。

加入先の地区医師会は居住地の地区医師会ではなく、勤務先の地区医師会となります。わたしは港区在住で、勤務先を品川区のクリニックとしたので品川区医師会に加入しました。

医師会へは非常勤医師でも加入できます。ただし、勤務先の医療機関が医師会に加入している必要があります。

経理

フリーランスになったので、税務署に届出を提出して個人事業主になりました。

freeeに契約し、お金を管理するようになりました。医師はたいてい複数の勤務先から給料をもらっているので毎年確定申告しています。来年は個人事業主として決算書を作って確定申告する手間が増えたくらいです。

実際の生活

はじめの3ヶ月ほどは全く慣れませんでした。平日ゆっくり起きて、自宅で仕事をして、日中打ち合わせに出かけ、打合せ後は早々に帰宅。わたしも妻も変な感覚でした。

3ヶ月ほど経つと慣れます。日中に打合せの出来る医師というレアな医師となり、一般企業からの相談や顧問の案件をちょくちょく頂くので、平日は自由度高く仕事をしている感じになります。

病院に勤めているだけでは決して出会うことのない人と関わり、仕事をし、人生の充実度が数十倍に増しました。医師の王道キャリアからは外れますが「医師」以外の何者かになるチャンスでもあります。

フリーになることをオススメするわけではありませんが、誰かの参考になれば幸いです。

診療情報

クリニック ル・ギンザ(銀座有楽町内科)

火・水・金曜日 12:00〜20:00(受付11:30〜19:30)
東京都中央区銀座4丁目1番先 北数寄屋ビルB1F
H.I.S.銀座本店のすぐ隣の扉が入口です。

上大崎クリニック

毎月第1土曜日+不定期
詳細はクリニックホームページをご覧ください。

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プロフィール

やさしい糖尿病内科医
山村 聡(やまむら そう)

九州生まれ、九州育ち、九州大学医学部卒。大学病院で糖尿病・代謝・内分泌内科助教、市中病院勤務後退局。フリーランスを経て、銀座有楽町内科院長。

病気を治療する医師であると同時に、生涯の健康を保つパートナーでありたいと思っています。

趣味はお酒と血糖値。診察室で患者さんと喋ることも好きですが、気のおけない友人とお酒を飲むことも大好きです。自分の幸せも大切にしながら,社会が豊かになることに貢献できたら最高です.

いつも最後まで読んでいただきありがとうございます.

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