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「今日からはじめる情報設計」に学ぶ「伝える」意識|誰かに伝えようとするとコトバはわかりやすくなる

目次

本の紹介

今日からはじめる情報設計
センスメイキングするための7ステップ
アビー・コバート 著/長谷川敦士 監訳/安藤幸央 翻訳
BNN新社

読むきっかけ

誰かの講演会か,オーディオブックだったかで「情報設計」とうコトバを耳にしました.よくわからないピンとこないコトバだったので,Googleとアマゾンで検索し,レコメンドされたのがこの「今日からはじめる情報設計」でした.

この本で知りたかったこと

・自分の言葉でどのように情報を整理するか
・プロジェクトのゴール,目的を明確にするにはどうすればいいか
・物事の分類法にはどのようなものがあって,どう使うか
・混乱した情報をどのように秩序立てるか
・センスメイキングの方法を知りたい

この本から得た「こたえ」

自分の言葉でどのように情報を整理するか

ステークホルダーに端的に情報が伝わるように表現する.本書では,ダイアグラムを用いて表現する方法として,
・ブロック・ダイアグラム
・フロー・ダイアグラム
・ガント・チャート
・4象限ダイアグラム
・ベン図
・スイムレーン・ダイアグラム
・階層ダイアグラム
・マインドマップ
・スキマティック
・ジャーニーマップ
が紹介されています.それぞれの目的,特性が説明され,自分の伝えたい内容に合わせたダイアグラムを選択することで情報をわかりやすく整理し,説明できるようになります.

このこたえを得たことで,他に知りたかったこと(物事の分類法にはどのようなものがあって,どう使うか,混乱した情報をどのように秩序立てるか,センスメイキングの方法を知りたい)のこたえにもなりました.

プロジェクトのゴール,目的を明確にするにはどうすればいいか

ゴールの要素として,意図(具体的に得たい成果)基準線(現在の基準と途中での評価基準)進捗(進捗状況の判断基準)の3つが挙げられています.

意図はそもそものゴールでもあり,途中の目標でもあるので意図のないゴールというのはありえません.基準線は,ゴールまでの途中の時点でスタート時と比べて,良くなったのか悪くなったのか客観的な指標として用います.この指標をもとに,はたしてプロジェクトが前進しているのか後退しているのか,進捗状況を判断することになります.

この本を読んで思ったこと

情報をわかりやすく整理するには,第3者を意識することが最大のポイントです.自分の頭でわかったつもりでも,人に伝えたり,文章に書いたりすると上手く表現できなかったり,書きながら矛盾点が出てきたりします.

本書では,わたしたちが何らかのプロジェクトを運営する前提に,そのプロジェクトのステークホルダーや,プロジェクトから生まれるコンテンツのユーザーに「わかりやすく伝える」目的で情報設計する方法を紹介してくれています.

ひとりよがりの理解ではなく,「伝える」カタチにすることで頭の中が整理され,プロジェクト自体の目的,進捗状況もはっきりし,プロジェクトの運営や,途中の修正がやりやすくなるわけです.

糖尿病内科的コメント

日々の診療で,患者さんに「伝える」ことの難しさは強く感じます.そもそも背景知識が医師と患者でまったく違い,言い換えのできないコトバも多数存在します.

しかし本書を読むと,ステークホルダー,ユーザーの存在を意識することが大切だと再認識させられました.糖尿病診療でいえば,ステークホルダーは病院や国,保険組合かもしれませんが,ユーザーは患者さんです.

糖尿病診療という医師と患者がコラボしたプロジェクトで,明確なゴールを設定し,わかりやすい言葉で共有し,ユーザー(患者さん)のニーズを満たすことが大切でしょう.患者ごとに異なるゴール,ニーズを共有した診療へと掘り下げていきたいところです.

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プロフィール

やさしい糖尿病内科医
山村 聡(やまむら そう)

九州生まれ、九州育ち、九州大学医学部卒。大学病院で糖尿病・代謝・内分泌内科助教、市中病院勤務後退局。フリーランスを経て、銀座有楽町内科院長。

病気を治療する医師であると同時に、生涯の健康を保つパートナーでありたいと思っています。

趣味はお酒と血糖値。診察室で患者さんと喋ることも好きですが、気のおけない友人とお酒を飲むことも大好きです。自分の幸せも大切にしながら,社会が豊かになることに貢献できたら最高です.

いつも最後まで読んでいただきありがとうございます.

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