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医療系人工知能と医者たちの結婚事情について(2)――医者婚編.United Medical Leaders summitに参加してきました

United Medical Leaders summit後半です.人工知能編のあとは,医者同士で結婚された,いわゆる”医者婚”カップル6名での座談会が行われました.

結婚間もないカップルから10年以上のベテランまで,診療科,勤務先も違う男性3名,女性3名の先生方が質問に答える形式で,それぞれの側から本音の意見が飛び交いました.

司会 先生
忙しい中,パートナーとのコミュニケーションはどうしていますか?
男性 A先生
起きる時間を合わせて,朝は必ず会話するようにしています.
男性 B先生
LINEでこまめに連絡してます.
女性 α先生
Googleカレンダーでお互いの予定,子供の行事を共有して,すれ違いがないようにしています.

Googleカレンダーはよく活用されているようで,休みの日を合わせたり,家にいるのかいないのかがわかるように工夫されているようです.

司会 先生
家事代行は利用していますか?
女性 β先生
週1回3時間利用しています.
女性 γ先生
ベアーズを利用しています.
女性 α先生
ベアーズが高かったので,家政婦紹介所だと3分の1くらいの価格でした.
女性 β先生
サービスの質を比べたり,面接して安心できるところに決めるのが大事です.
男性 C先生
近くに母親が住んでいるので,夕飯作りはお願いしてます.

医者婚の魅力の一つにダブルインカムがあります.お金でアウトソーシングできるところはお願いして,二人の時間,家族の時間を確保されているようです.

ほかにも,掃除はルンバブラーバにお任せして,ドラム式洗濯機,食洗機を使って時短,効率化を図っておられるようです.

司会 先生
お互いのキャリアプランがぶつかるときどう対処しましたか?
男性 A先生
パートナーの価値観を理解し,自分のキャリアに固執せず妥協点をみつけました.
女性 γ先生
結婚よりも妊娠,出産が自分のキャリアに大きく影響します.女医としてのキャリアがいっきに狭まりやすいので,よいロールモデルや目標を設定して,キャリアを犠牲にしない頑張りが相当必要です.
女性 α先生
女性が譲って,男性が譲られることが多いです.男性は譲ってもらったんだから,そのぶん感謝し,女性の辛抱を理解して協力やサポートをして下さい.

研修,入局or就職,大学院進学,専門医取得,研究,留学など,夫婦の診療科や病院が違うとタイミングがずれて,どちらかが犠牲になることがあります.さらに女性には,結婚,妊娠,出産のタイミングが加わり,自分のキャリアが思うように積めないもどかしさも出てきます.

男性医師としては耳の痛い意見も出てきました.女性医師のキャリアが犠牲になり,バイト医になったり,専門医を諦めるなど,改善がまだまだ必要な現状です.

司会 先生
結婚,出産での職場の受け入れはいかがですか?
男性 A先生
職場,診療科に依ると思います.入局先,就職先の雰囲気をよく見極める必要があります.
女性 β先生
同様のロールモデルの先生がいる環境では,同じように産休,育休も取りやすいです.ただし,既にあるロールモデルを変えることは難しいです.
女性 γ先生
ロールモデルのない環境では,新しいロールモデルをつくっちゃいましょう!自分が前例になれば,あとの人も続きやすいです.
女性 α先生
職場ごとではなく,学会など大きい組織を通じてロールモデルづくりをしてほしい.

これから結婚や妊娠,出産を控える女性医師は入局先,就職先を決める上で,ロールモデルの存在が決め手のひとつになるかもしれません.男性医師も育休のとれる職場が出てくることを期待します.

司会 先生
最後に「医者婚」で良かったことを教えてください.
女性 β先生
医学用語,専門用語の説明が要らずに,共通の話題が豊富です.
女性 γ先生
良き相談相手でもあり,ライバルでもあって共に高め合うことができます.
男性 B先生
当直や急な呼び出しも,当然のこととして見送ってくれます.

パネラーの中には同じ職場,同じ診療科で結婚された先生もいて,オン・オフが曖昧になりそうですが,それはそれで説明抜きに話ができて悪くないようでした.

司会 先生
(おまけ)ダブルインカムの管理は?
男性 C先生
自分の口座,共通口座で分けて,共通口座を一緒に管理.お互いの口座には一切口出ししません.
男性 A先生
貯め方,使い方は話し合って決めています.

糖尿病内科的コメント

わたしは妻が専業主婦なので,家事は基本的にお任せしています.ルンバも活躍しています.子どもがいないので,成り立っていると思いますが,今日の話を聴くと,もっと手伝おうと決意を新たにしたところです.
妻が医療と縁がないと,たしかに仕事の話は通じません.家では仕事の話はほとんどしないので,オンとオフがはっきりしていて良いかなと思っています.

このあと座談会で非常に有意義に交流ができました.次回は11月,大阪開催予定です.

プロフィール

やさしい糖尿病内科医
山村 聡(やまむら そう)

九州生まれ、九州育ち、九州大学医学部卒。大学病院で糖尿病・代謝・内分泌内科助教、市中病院勤務後退局。フリーランスを経て、銀座有楽町内科院長。

病気を治療する医師であると同時に、生涯の健康を保つパートナーでありたいと思っています。

趣味はお酒と血糖値。診察室で患者さんと喋ることも好きですが、気のおけない友人とお酒を飲むことも大好きです。自分の幸せも大切にしながら,社会が豊かになることに貢献できたら最高です.

いつも最後まで読んでいただきありがとうございます.

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