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救急車を呼ぶか迷ったときのアプリ「Q助」を使ってみました.

救急車を「呼ぶ?呼ばない?」という判断をサポートしてくれるアプリが登場しました.総務省消防庁公式で,その名も「Q助」.正式には「全国版救急受診アプリ」です.

全国版救急受診アプリ「Q助」

全国版救急受診アプリ「Q助」
開発元:消防庁
無料
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iPhone版Android版どちらもあって,Web版もあります.ダウンロードしてアプリを開くと,まず利用規約が現れます.免責事項もあり,アプリの判断は救急相談,救急隊の判断と異なることもあること,不利益が発生しても消防庁は責任を追わないこと,となっています.

利用規約に同意すると,直ぐに119番するべき危険な徴候に当てはまらないか訊かれます.

ここに当てはまると「いますぐ救急車を呼びましょう」と,救急隊も青い顔をしています.

迷わず119番するべき項目に当てはまらなければ,「大人(16歳以上)」か「こども」かを選び,当てはまる症状を選んでいきます.

質問に答えていく形式で,最終的に
「いますぐ救急車を呼びましょう」
「できるだけ早めに医療機関を受診しましょう」
「緊急ではありませんが医療機関を受診しましょう」
「引き続き,注意して様子をみてください」
の4パターンでアドバイスされます.

救急車を呼ぶか,夜中でも病院に行くか,明日病院に行くか,様子を見るか一応の参考にはなるレベルで作られているように思います.あくまで参考ですので,赤色以外でよくわからない場合は夜間の救急相談へ連絡するのがよいでしょう.

糖尿病内科的コメント

街ナカや自宅で救急車を呼ぶかどうか,われわれ医者は迷いません.生命の危険があるかどうかは大体わかります.ただ,「救急車を呼ぶ」という場合には「大至急救急車呼ばないと死んでしまう!!!!!!」という絶対的なケースから,「いちおう救急車で運んでもらったほうがベターかな…」という状況に応じた相対的なケースまで,判断に幅があります.

どうしてこのような判断が可能かというと,救急車移動で得られる時間的利得,救急車内で提供できる医療資源,これらの病院前救護(プレホスピタル・ケア)が与える患者への有益性をある程度把握しているからです.

ただ早く病院に着くから生命が助かるわけではなく,救急隊が適切な患者状態の把握をし,必要な処置を行いつつ,最適な医療機関へ搬送するという連携があって命をつないでいるわけです.

非医療者の方がこのような判断をすることは困難ですので,迷ったときほど,このようなアプリを参考に,早く病院に行くために119番するのではなく,本当に必要なときに救急要請し,限りある時間と医療資源をみんなで分け合いたいものです.

全国版救急受診アプリ「Q助」

全国版救急受診アプリ「Q助」
開発元:消防庁
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プロフィール

やさしい糖尿病内科医
山村 聡(やまむら そう)

九州生まれ、九州育ち、九州大学医学部卒。大学病院で糖尿病・代謝・内分泌内科助教、市中病院勤務後退局。フリーランスを経て、銀座有楽町内科院長。

病気を治療する医師であると同時に、生涯の健康を保つパートナーでありたいと思っています。

趣味はお酒と血糖値。診察室で患者さんと喋ることも好きですが、気のおけない友人とお酒を飲むことも大好きです。自分の幸せも大切にしながら,社会が豊かになることに貢献できたら最高です.

いつも最後まで読んでいただきありがとうございます.

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