目次
この本について
心不全クルズス
三田村秀雄 編・著
メディカルサイエンス社
この本で学びたいこと
・どのように心不全の病態を把握するか
・浮腫,胸部X線などの所見をどのように解釈するか
・急性期心不全に対してどのように薬剤を使い分けるか
・慢性期心不全に対してどのように薬剤を使って適切に管理するか
この本から得たこたえ
第1〜4章は具体的な症例を交えつつ,質疑応答形式で心不全患者の診察,検査,治療へのアプローチが語られます.典型的な所見や心音聴取,レントゲン,エコー所見の読み取り方を復習できました.
病態生理を踏まえて説明がなされるので,あらためて理解しやすく,すぐにベッドサイドで活用できる内容がまとまっています.
もっとも参考になったのが第5章です.著者である三田村秀雄先生と自治医大さいたま医療センター長,百村伸一先生の対談で,急性心不全と慢性心不全に対するアプローチが,本人の経験とエビデンスを交えて語られます.
所見への目の付け方や,経過を見る上での指標,薬剤選択の根拠,薬剤を追加する順序など,具体的な数値,薬剤名が挙げられているので,循環器専門医がどういう眼で心不全を診て治療しているのか追体験することができました.
糖尿病内科的コメント
とても具体的に,根拠をもって説明がなされ大変参考になる1冊です.
先日紹介した「心不全診療について本気出して考えてみた」で心不全の概念を再確認し,治療の大枠を学ぶことができました.その上で,こちらの「心不全クルズス」を読むと,具体的な薬剤選択のノウハウを理解でき,現場に活かす自身がつきます.とても心強い2冊となりました.