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医師たちのアルバイト事情|医師不足の現場を支え、日々の診療に活かす自己研鑽

医師のお財布事情について紹介しています。今回はアルバイト事情についてです。

目次

医師のアルバイト事情

わたしのような勤務医の場合、収入源が一つの病院からということは少ないです。特に大学病院勤務の頃は、大学からの給与だけで家族を養うには到底不足でしたので、アルバイトが必須でした。

大学の医局に所属していれば、アルバイトも斡旋してくれます。が、徐々に医局が抱えているバイトの枠も減りつつあります。医局に所属するドクターも減少傾向で、医局から病院への医師の派遣も尻すぼみの現状です。医局からの医師派遣が途絶えた病院は人材派遣会社を通じて広くドクターを募集するようになります。

わたしも複数の医師派遣会社に登録し、定期アルバイト、単発アルバイトの募集をチェックし、タイミングと希望が合えば勤務しています。わたしが定期的にチェックしていて、実際に勤務したことがあるのは、MRT(エムアールティー)、Dr.アルなび、民間医局です。他社にも登録はしていますが、この3社に登録しておけば、だいたいの医師求人をカバーしている印象です。

はじめてのバイト|健診バイト

わたしが医局派遣以外で初めてアルバイトをしたのは健康診断のバイトです。会社や学校、自治体で年に1-2回ある、アレです。

私見ですが、一部の学校医、産業医の先生や、健診会社所属の先生を除いて、健康診断で診察を担当するドクターはほぼほぼ単発バイトの先生です。

受診者の数は相当なもので時給の割に楽ではない健診バイトですが、わたしは結構好きです。訪問した会社の裏側が垣間見えて、ちょっとした社会科見学の気分を味わっていました。職種による男女比、年齢構成や、受診者の服装、活気などから職場の雰囲気もなんとなく伝わってくるものです。

ホームセンターのバックヤード、工事現場の仮設事務所、家族経営の会社兼ご自宅など、ふだん入ることのない「健診会場」で病院勤務とは違う診療に携わり、働く人の健康に直接貢献している充実感を感じていました。

受診者の多くは「異常なし」ですが、その中から聴診器片手に「要精査・要受診」をスクリーニングしていく健診は、正常と異常の境界に敏感に反応する直感力のようなものが養われ、病院での日常診療にも大いに役立ってくれています。

単発バイトの定番|当直バイト

週末や連休など、家族の予定が特になければ応募・勤務しているのが当直の単発バイトです。スポットバイトとも呼ばれます。

入院患者のいる病院では24時間、ドクターが常駐している必要があるため、常勤の先生が勤務できないタイミングで募集がかかります。とくに大型連休や年末年始などは、全国各地で相当数の求人があり、時給も上昇する傾向があります。

ひと口に当直バイトと言っても内容は千差万別です。俗に「寝当直」と呼ばれる、ほとんどドクターコールが鳴らない当直もあれば、ホットライン(救急車からの電話)が鳴り止まない超絶激務の当直もあります。もちろん後者の時給が高いことは言うまでもありません。

わたしの個人的な感覚では、日付が替わるまでのあいだに数名、夜間時間外の急患が来て対応し、明け方まで平和に仮眠をとる、というのが理想です。が、病気や怪我をした患者さんに対応するので、そんなにうまくいくものでもありません。思いがけず急患対応、急変対応に見舞われ、眠れぬ夜を明かすこともやむを得ないものです・・・。

一睡もできない多忙な夜や、思わぬ急変に肝を冷やす夜もありますが、当直バイトを重ねると、対応する患者の状態と、夜間外来で対応可能なキャパシティとを勘案できるようになってきます。自分の技術・能力、専門性や、当直中の病院のマンパワー、設備などを考慮して、患者を専門病院へ転送するのか、応急処置をして翌日、常勤のドクターへ引き継ぐのか――こうした判断に致命的なミスをすることがなくなります。

わたしは比較的オーバートリアージで、専門病院の受診を促したり、翌日の外来再診に申し送ることが多いですが、糖尿病内科医というわたしの専門を背景とすれば、外科や循環器のドクターもたいていの場合、温かく対応してくれるものです。自分のキャパを知り、無理をしないことは患者さんのためにも、自身の医師生命を維持するためにも大切なことです。

医師アルバイト求人を探す

比較的よく使っているのがMRTの求人サイトです。最近では糖尿病外来の非常勤求人を紹介してもらいました。

このサイトは大学の先輩ドクターから紹介してもらい、研修医時代の同期などにも紹介し、まずまず良い評価です。スポットバイト、健診バイト、コンタクトバイトの求人件数がおそらく他社をしのいで多いのではないかという印象です。

全国各地の常勤求人、レギュラー(非常勤定期)求人、スポット(単発)求人が常時更新され、求人情報が結構細かく提供されています。上がり時間に影響する受付終了時間や、他ドクターとの診療体制(1診か2診以上か)、病院の雰囲気、当直室の設備など、過去に勤務したドクターからのフィードバックが生かされた情報提供がなされているようです。

まとめ

ドクターたちの生活の支えであり、医師不足の病院、夜間診療の支えでもある医師アルバイト。時給は一般的なアルバイトとは比べようもなく高いですが、そこにはリスクと責任が伴う緊張感のある現場でもあります。

私自身は糖尿病という慢性疾患が専門で、花形の救命医、外科医、循環器内科医の先生に比べると非力極まりないですが、自分のキャパの範囲で医療の前線の一端を担うのもアリだと思っています。

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プロフィール

やさしい糖尿病内科医
山村 聡(やまむら そう)

九州生まれ、九州育ち、九州大学医学部卒。大学病院で糖尿病・代謝・内分泌内科助教、市中病院勤務後退局。フリーランスを経て、銀座有楽町内科院長。

病気を治療する医師であると同時に、生涯の健康を保つパートナーでありたいと思っています。

趣味はお酒と血糖値。診察室で患者さんと喋ることも好きですが、気のおけない友人とお酒を飲むことも大好きです。自分の幸せも大切にしながら,社会が豊かになることに貢献できたら最高です.

いつも最後まで読んでいただきありがとうございます.

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